2022年 10月 04日
朝日カルチャーセンター中之島教室「英語で学ぶ日本文化」September 1st, 2022
あれよあれよとしている間に終わり、そしてもう10月です。 9月の講座の私の机の上。毎度のことながらいつも受講生の皆さん、有難うございます。 美味しくいただきました!
これはなんでしょう?そうデーツまたの名をなつめやしの実。栄養価の高いこの果物、最近日本でドライフルーツを売る専門店で見かけるようになりました。M女史がこの菓子を持ってきてくれました。世界で最も古くから栽培されている植物の一つで原産はおそらくアラビア半島東部のペルシャ湾岸地域と考えられていて紀元前5000年までには既に栽培が始まっていたとのこと。メソポタミア文明、エジプト文明、そしてインダス文明の各地にナツメヤシが栽培されていた形跡が残っていて、ただ実を食べるだけでなく、葉も幹も実にさまざまな使いみちとして当時の人々にとって欠かせない食料。イスラム教徒がラマダンの間、日が暮れてはじめに口にするのはこのデーツだそう。またアラブ諸国においてデーツは繁栄の象徴ということで今日でもゲストをお迎えするときはデーツが食卓に並ぶとのことです。さて、最後に、日本の食卓には欠かせないソース。オタフクソースをご存じでしょうか?なんとオタフクソースの中にデーツが原料として使われているのです。デーツとの出会いは1975年。デーツの持つ濃く深い甘みと栄養価に着目したそうです。なんと今では酢の原料としても使用されているそうです。意外と身近な存在のデーツだったのですね。ちなみにこちらの写真のデーツわざわざドバイに行った方にお願いして購入してもらったという貴重なもの。とても美味しくいただきました。
8月お盆ごろからより一層月日が経つのが早く感じられます。9月はA女史はなぜ桜が日本の象徴とされているかという理由について発表をしてくれました。桜は古来から様々な名歌に詠まれて民間の間で愛唱されてきた。今も桜の季節がやってくると人は存分に桜を愛でる。平安末期から鎌倉初期に生きた西行法師の有名なうた『ねがわくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ』(願わくは桜の下で死にたいものだ。釈迦が入滅した旧暦2月15日の満月の頃に)西行法師は桜を愛し約230首もの桜を詠った歌をよんでいるという。西行法師を弔うべく弘川寺では彼のお墓の周囲に桜をふんだんに植えているそう。桜はのどかな春の日に咲きしかしあっという間に散ってしまう。これが昔から日本人にとってこの世の儚さを象徴しており、またこういった人生観が民族的にマッチングしていたのであろう。この考えは武士道の世界観にもうまくあっているということだそうです。
S氏のこんかいのテーマは水墨画です。水墨画の歴史は中国の唐の時代まで遡ります。日本に水墨画が伝わったのは鎌倉時代、当時中国へ渡った僧たちによってもちこまれました。水墨画は墨の黒だけで多彩な表情をみせます。油絵では余白の白はありえません。この余白の空間は墨絵の概念では否定的なものではなくむしろ表現上にいて何か機能している部分であるとみなします。ここでS氏はある一枚の作品雪舟の『慧可断臂図』について紹介をしてくれました。禅宗の初祖・達磨が少林寺において面壁座禅中、慧可という僧が彼に参禅を請うたが許されず、自ら左腕を切り落として決意のほどを示したところ、ようやく入門を許されたという有名な禅機の一場面。リアルにあらわされた面貌と一点を凝視する鋭いまなざし、そして動きの少ない構図が画面全体に息苦しいまでの緊張感を生み出している。また1本の筆で様々な線を生み出していて雪舟ち言われる所以の作品かもしれません。また次にちょっとコミカルな作品『鳥獣人物戯画』についても紹介してくれました。こちらは私の大好きな作品の一つです。 うさぎやカエルといった動物が躍動感のあるラインで描写されています。見ていてこちらも楽しくなりそうです。さてこうしてみると墨の重要性が理解できます。日本で墨作りが盛んになったのは室町時代で現在も墨の9割はなんと奈良で作られているそうです。S氏は墨作りの行程について少し説明をしてくれました。初めに触れたように墨の色は黒1色ですが濃淡によって色付けできます。墨に五彩ありとも言われているそうです。この墨の持つ独特の味わいを感じながらゆっくり鑑賞してみたいと思います。
M氏はシマサルスベリについて。S氏お住まいのところから徒歩30分で花博記鶴見緑地公園があるということで先日にサルスベリの咲いているところを散策しながらこの公園に行ってきたそうです。あるロータリークラブの植樹記念碑を見つけ、シマサルスベリの樹木の名を目にしたM氏。はて?このシマサルスベリとは?早速その樹について調べたということです。英語名はChinese crape myrtle.中国中部、台湾および奄美諸島などの亜熱帯に分布するさるすべりの近縁種だそうです。通常のさるすべりの開花時期は6~8月の比較的長いけれどもこちらのシマサルスベリの開花期間は短い。花の色は白でサルスベリとくらべると花が小さいので華やかさには欠ける。樹皮はサルスベリより白く幹は直立する・大木になると幹がうねりその美しさはサルスベリに勝る。サルスベリよりも背が高くなる樹なので公園や広い庭、街路などに植えて壮大な樹形を鑑賞するのが基本だそうです。まずシマサルスベリをみてみましょう。 なんだか愛らしいお花です
確かに樹皮は白いです。ちょっと幻想ちっく。 条件が良ければきれいに紅葉するそうです。
ちなみにサルスベリと比べてみましょう。
確かにボリューム感があります。さて、前回のブログでも触れましたがサルスベリを漢字にすると百日紅、100日間さく紅の花です。
J女史はTop Ten Living Creatures that Shaped Life on Earth (地球の生命に大きく関わった生物トップ10)です。英語と日本語の解説つきで説明をしてくれました。こちらではトップ10を紹介していと思います。
全て気の遠くなる年代です。ちなみに私たちの祖先であるホモ・サピエンスは最も古いもので約30万年前らしい。様々な生物や植物などが自然淘汰の道を経て現在に至るわけですが、宇宙や自然の神秘を感じます。
さて次回のこちらの講座は10月6日です。今月も皆さんのプレゼン楽しみにしています。(T.M)
by connection-eigo
| 2022-10-04 11:27
| Culture Centers 出講講座