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Yoko先生の 「簡単英語で名作を読む-クリスマスキャロル」

朝日カルチャー川西校での特別講座「簡単英語で名作を読む-クリスマスキャロル」を開催しました。12月18日最終回を迎えて、担当講師を務めた陽子先生が、ブログを綴ってくれました。101.png


朝日川西カルチャー 2019/10-12 計6回講座
A Christmas Carol/Charles Dickens
                       
 この物語のあらすじは、イギリス産業革命後のロンドンを舞台に、クリスマスイブの日に、強欲でエゴイストで思いやりもかけらもない金貸し商売人Scroogeの前に、7年前に亡くなった共同経営者のMarley が亡霊となって現れ、「過去」「現在」「未来」の精霊 の導きにより、自分の少年時代の素直で純粋な気持ちの呼び起こしから始まり、現在の自分を客観視すること、ついには強欲のまま生きた自分のみすぼらしい死の光景を見ることで改心していくという物語です。
この講座に私が最も思い入れしたことは、せっかくの英語小説、しかも文学的完成度が高いと言われるイギリスの文豪Charles Dickensの小説であるからこそ、英文そのものを読み説き、イメージを膨らませ、映像化していただくことでした。カズオイシグロさんの言葉に”I want my words to survive translation” 「私は自分の言葉が翻訳を生き抜いて欲しいと思う。」がある。訳が入ると何かしら良くも悪くも他の主観が入り混じってしまうもの。ましてこの小説そのものがかなりの想像を掻き立てられるものであることから、今回は訳を介さずに、ご自由に解釈していただき、そして単語の使われ方を体感していただきました。皆さんで向い合い一斉朗読で一文一文読み上げる毎に、自然に感情が込み上げ、「えー!」「すごい!」「なんで!」など、皆さんの咄嗟の素の言葉が飛び交いました。そして終始、積極的な解釈ご意見が交わり、お一人の方のご発信からの共感、またはさらなる広がりが齎され、皆さんそれぞれがお持ちの異なる輪に、この物語そして語学のエッセンスが加わり、皆さんの公約数的なものが創り出される時間となりました。ある方からの解釈を紹介させていただきます。Scrooge の改心後のほぼ最後のシーンからの彼のセリフの解釈です。”I don’t think you need to take that crutch with you any more.”  Scrooge の改心前と後を通して登場する‘crutch’を必要としていたTiny Timの‘crutch’が、単に目に見えるものではなく、目に見えない精神的な支えの象徴であったのではという解釈です。なるほど!これには皆さん揃って大きく頷かれていました。もちろん私くしも大きく。他にはこんな方もいらっしゃいました。予習時に小説を読まれながら涙が溢れてきたことをお話しされながら、また涙ぐまれていらっしゃいました。実は皆さん、タイトルに馴染みはおありだったものの、この物語を読むのは初めてという方ばかりでした。今回使用したテキストは全108ページのものですが、比較的読みやすい語学レベルの小説でしたので、英語に乗りScrooge が改心する様子を彼が発信する言葉から感じ学び、そして旅する時間になりました。講座の最終時間では、あえてScrooge の改心後から改心前への戻りを行いました。皆さんから彼の言葉を改めて拾い読み上げていただいたものを前のホワイトボードに書き並べ、彼の心の変化の再共有からこの物語の構成の深さ、そして作者の長けた才知を実感しました。
クリスマスに向けて10月よりスタートさせていただきましたこの講座でCharles Dickens 作A Christmas Carolを皆さんと朗読した時間を、この先クリスマスを迎える度に、皆さんにも思い出し振り返りしてくださることを願いながら本講座を修了しました。物語最後のTiny Timからの締めくくりの言葉 “ God bless us, every one ! “ お互いに声を掛け合いながら。

Yoko Norinao


by connection-eigo | 2019-12-21 18:29 | イベント