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朝日カルチャーセンター中之島教室『英語で学ぶ日本文化』Nov. 1st, 2018. Part ②

師走月に入りました。146.png私ごとですが、昨日12/1に、私の教室の今年の大きな行事が終わり、少々ほっとした気分です。

11月中旬週末は、所用の都合で別府に。そして先週末は、東京から来てくれた友人と、およそ4昔前(?)に訪れた高野山に行きました。噂の通り、146.png 南海電鉄が極楽橋に近くなると、車内アナウンスが日本語、英語そしてフランス語になります。高野山はフランスを中心に欧州から来られる観光客の方が多いようです。
さて、11月も下旬を迎えると、高野山の気候は寒く、朝早い空気は、キリッとしていて、自分自身の精神をシャキッとさせてくれる時間でありました。
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では前回の続きで、今回はpart2です。173.png173.png173.png

S女史のプレゼンから紹介します。今回の同女史の天声人語は、次のような話に始まります。ある男性が卒業した高校の近くにあった大クヌギの木が伐採されることを知り、その木を見に行ったところ、瀕死状態であったそう。根元に転がっていた実をいくつかポケットにいれ持ち帰り、ベランダの鉢に植えてみたところなんと、半年後に黄緑色の目が顔をだ出しました。彼の娘さん、生後まもなく脳が難病に侵されていて、長い手術に、つらいリハビリの後、元気な女の子に育っており、この大クヌギと娘さんの生命の力強さやしなやかさについて書かれたものであります。S女史、この天声人語を読んでくぬぎの木が見たくなり、門真市は三島神社にある薫蓋樟を見に行かれました。写真を見せていただいたのですが、神社の後ろに大きくそびえ立つ木はなんと30メールの高さ。枝は東西合わせて40メートルだそうです。樹齢は1000年だといいます。146.png 平安時代におよそ8ミリの小さな種が木から地面に落ちて、それから今に至るそうです。S女史はこの木をみて生命のミラクルを感じたとお話くださいました。
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木に関連することで、先ほどの高野山の話になるのですが、この度、樹齢を重ねた多くの木々を通りくぐり、時代の空気をいっぱい吸ってきました。そびえ立つ木々を前にすると自分のちっぽけさを感じます。残念なことに、9月の台風の影響で多くの倒木も目にしました。力みなぎる生命力、その一方でいつかは、生命のともしびが消えていく木々であります・・。でもこの天声人語の男性のお話のように、新たな息が吹き込まれて引き継がれていく木もあります。そして、これはS女史が感じた、生命力とはミラクルなものであります。177.png

次にS氏のお話についてです。タイトルは『古典の日』です。皆さん、古典の日をご存知でしょうか?S氏によると、この日は2008年11月1日に開催された源氏物語千年紀の記念式典において提唱され、2012年9月に『古典の日に関する法律』が成立し、正式に日本の記念日となったそうです。但し、祝日にはならなかったそうです。(こんなお話全く知りませんでした・・・。116.png) 京都市では行事として、全国朗読コンテストが催されるそうです。S氏曰く、この記念美はそもそも京都の再財界を中心とする人が提唱したそうで、全国的な広がりはあまり期待できない感じがするそうです。
古典の日は源氏物語の存在が確認できる最古の日付が西暦1008年の11月1日にちなんでいるそうです。学生時代に学校の授業で『源氏物語』を読み、成人してから教養を養うため最後まで読もうと何度かトライするものの、途中で断念・・。(もちろん原文ではありません。) 日本語の現代語訳作者は与謝野晶子、谷崎潤一郎、戦後になると田辺聖子、瀬戸内寂聴ほか、名前が挙げられます。S氏も完読はされていないということで、どういうわけか胸をなでおろす。(?154.png)同氏がコメントするように、私も完読できない一つの理由として、源氏物語が長編の恋愛小説だからかもしれません。最後にS氏はこのミニプレゼンで、古典の作品をゆっくり読んでいこうと思っていると話してくださいました。さて、なぜ、古典を読むべきなのか?ということで、岩波新書から出ている『日本の古典』著者:山口仲美にその理由が述べられているそうです。
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まず一つは、相対化する目を養うこと。そして、次に、創造性の芽を育むことだそうです。日本の古典は30作品とのことで言葉に霊力や宿る奈良時代から、貴族文化の華が咲く、平安時代乱世を生きた人がかたる鎌倉・室町時代庶民が楽しむ言葉の世界は江戸時代。さて、皆さんはどの時代の作品に興味を持ちますか?

最後にM氏のミニプレゼンは、没後30年小磯良平展 副題 『西洋の憧れと挑戦』です。同氏は10月中旬に神戸市立小磯記念美術館に足を運ばれました。彼のの作品は堅実な色彩・構図に特色があり、また優れた女性の肖像画を描くことを得意としたとのことです。M氏のイメージでは、暗い絵を描く人のイメージしかなかったそうです。しかしながら今回展示された作品を見て、素晴らしさに驚いたそうです。1903年(明治36年)に神戸で生まれ、1927年に東京美術学校卒業後、欧州で西洋美術を研究し、帰国後は神戸にアトリエを構えて、作品制作を始めたそうです。M氏は何点かの彼の作品を紹介してくれました。小磯良平についての詳細はこちらをクリックください
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私もこちらの展覧会にどうしても足を運びたかったのですが、残念ながら、時間的に余裕がなく断念してしまいました。ただ、神戸に美術館があるので、是非来年の初夏の頃に訪れたいと思います。(現在工事中につき閉館しています。)

そのかわりと言っては変なのですが、現在、京都国立近代美術館にて『没後50年 藤田嗣治展』が行われているので、仕事の帰りに立ち寄りました。
10月にNHKで同画家のプログラムをたまたま見て、勿論彼の有名な乳白色の下地の技術もあるのですが、それよりもこの時代に生きた画家の人生についてとても興味を持ちました。作品を見終わった後、ミュージアムギャラリーで1冊を本を購入しました。
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夏にはちょうど大観の作品も見にいきました。この本を読み、時代背景を知ることで、各々の作品が持つ意味を知ることができたように思います。横山大観もフジタも人生の段階において、絵のスタイルが変わります。これはどんな画家もそうなのかもしれません。そこに隠されたメッセージを知ることで、絵の見方が大きく変わってくると思います。私は古典美術に興味があり、今まであまり、日本の近代美術の作品に興味を持ちませんでした。しかしながら、今回、改めて色々と知る機会ができたと思います。
小磯良平も明治生まれなので、激動の時代を生きてこられた画家であると思います。きっと色々なストーリーが作品毎に託されているのでしょう。来年は必ず訪れよう、小磯記念館。174.png


追伸:11月後半、和菓子屋さん、仙太郎で、お火焚き饅頭を発見!残念ながらこちらは11月の菓子なので、次回は持っていくことが出来ません。来年までお預け状態(!?)149.pngですが、写真を撮りました。
(写真だけで恐縮です・・・。)
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次回の朝日カルチャーセンター中之島校での『英語で学ぶ日本文化』は、12月6日です。今回が今年最後の講座になります。どうぞよろしくお願いいたします。 (T.M)




by connection-eigo | 2018-12-03 00:30 | プレゼンテーション