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朝日カルチャーセンター中之島教室『英語で学ぶ日本語文化』November 9th 2017

11月は実りの秋です。本日のクラス、机の上は、まさしく秋の時節にぴったりの食べ物で飾られました。
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畑で獲れた果物、干し柿や柿のジュースもあります。157.png 秋を代表する和菓子は亥の子餅。101.png 大阪ではあまり見かけることがないのですが、京都に行くと、この時期に出回る菓子です。他にもたくさん!アップルのパイ生地のお菓子もお目見え。169.png157.png

いつも皆さん有難うございます。

さて、11月7日に立冬を迎え、暦の上では冬の始まりです。今年も残すところ2ヶ月を切りましたが、街はもうすでにクリスマスモード1色です。Thanksgiving(感謝祭)もまだなので、もう少し晩秋の余韻を楽しみたく思います。

さて、受講生の方のミニプレゼンを紹介していきます。

本日はS女史からスタートします。169.png 夏目漱石が大好きな同女史。天理大学附属天理図書館で、夏目漱石の展覧会があったので、足を運ばれました。こちらの図書館は、稀なる文献資料を所蔵しているとのことです。漱石が正岡子規に送った手稿。漱石の達筆は見事なもの。明治23年に漱石と子規は第一高等中学校本科を共に卒業した後、同年に帝国大学を入学、漱石は英文科、子規は哲学科へ。親友であった二人は手稿を送ったりしていたのですね。
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最後にゴッホについてもS女史は触れられました。フランスと日本。この当時は遠い遠い存在であります。でも同じ時期に芸術家同士に類似しているところがあるようです。正岡子規と夏目漱石が52日間ともに暮らした松山の愚陀仏庵。ゴッホとゴーギャンも同じぐらいの時期に、同じくらいの期間で共同生活をしています。でもゴッホはしかしゴッホは、ゴーギャンとの共同生活で、精神を病んでいき、自らの耳の一部を切り取って入院して退院から2ヶ月後、麦畑で拳銃自殺をしました。
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話は変わりますが、先月ノーベル文学賞、カズオ・イシグロが受賞したことをお話ししました。日の名残りを早速読まれたということで、感想を尋ねました。とても気に入られたようです。157.png カズオ・ワールドの描写は本当におぼろな印象派の絵のような感じです。S女史、映画の描写もとても美しいです。機会があれば是非、ご覧ください。174.png

次にM氏のミニプレゼンです。11月1日の日本経済新聞の夕刊の記事より。出石蕎麦をご存知でしょうか?兵庫県は豊岡市にある城下町。『但馬の小京都』と言われているところで、お蕎麦で有名なところでもあります。私も約7年ほど前にこちらに立ち寄ってお昼でお蕎麦屋さんに入ったことがあります。なんと、40軒以上の蕎麦店が集まる関西屈指のそば処でもあるそう。発祥は江戸中期にさかのぼります。藩主の仙石政明が1706年に信濃国上田藩から但馬国出石藩に移動する時に、信州の蕎麦職人を一緒に連れてきたことに由来するそうです。蕎麦の実と皮を一緒に挽いたそば粉が使われているため、雑味があって味が濃く、色も黒っぽい。葱や大根おろし、山芋や鶏卵など色々な薬味を味わえるように、徳利にたっぷりので汁が入っている。こちらのお蕎麦、小皿5枚に小分けされているのが特徴です。さて、皆さんは何十枚のお皿のお蕎麦を平らげることができますか? 20皿以上のお蕎麦を食べた人はお店から証明のための木の札が贈呈されるそうです。ちなみにM氏は以前24皿のお蕎麦を完食されました。お蕎麦が大好きでほぼ毎週1&2回お蕎麦を食べます。久しぶりに出石蕎麦が食べたくなりました。

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最後にS氏のミニプレゼンです。『日本人の宗教人口』について。ハロウイーンにクリスマス、除夜の鐘に年が開けると初詣。先月から何かと行事ごとの多い季節となって来ています。S氏が触れられた通り、全て、宗教に基づく行事です。173.png 日本人は一般的に宗教に寛大(?)だと言われています。ハレの儀式は神道スタイル。キリスト教徒ではないけど、結婚式はキリスト教スタイルが主流です。反対に、不幸ごとについての儀式は仏教様式です。
日本人は宗教に熱心なのだろうか?と同氏が色々調べてみました。あるデータによると、日本人の宗教人口は1億8千8百万人、人口の148%。別のデータでは宗教を信じている日本人は28%、つまり7割の人は無信仰・無宗教となります。さて、この2つの矛盾はなんなのでしょうか?118.png どうも日本人の宗教人口については2種類の数値が公表されているようです。調査はふた通りあるそうです。まずは宗教教団に尋ねる。『あなたのところの信者は何人ですか?』 もう一つは個人に『あなたは何か宗教を信じていますか?』や『どんな信仰を持っていますか?』文化庁の宗教年鑑の数値、信者数1億8千8百万人は教団に尋ねる方法であり、数理統計研究所の国民性調査は個人に尋ねる方法によるものの2つであるようです。宗教年鑑で見ると、宗教別の信者数は、神道系が8,950万人、仏教系8,870万人、キリスト教系190万人、諸派、870万人。合計が1億8,800万人。神道と仏教の数値が大きな差異の主因であるようです。116.png 神道系の信者は氏子を基本としている。氏子とはつまり、その地域の住民の数。また初詣などの参拝者も信者数とする神社もあるよです。仏教系は信者数は檀家としての世帯数で把握されているのが基本のようです。
S氏のまとめのように、日本は初詣、お盆、お彼岸、七五三、結婚式、葬儀や法事、厄除けなど、季節や人生の節目に神社やお寺と関わりを持ちます。日本人が氏子としてまた檀家として神社やお寺の信者名簿として載るわけです。
初詣に行って手を合わし、お盆になると仏壇に手を合わし、墓参りにも行く、だからと言って、訪れた神社や寺院に何か特別な信仰を持っているわけでもない。お布施もしたりするけど、あまり意味がよく分からない・・。信仰心というよりも慣習に従っている。純粋なもしくは熱烈な信仰心を伴わない『行事』。これがどうも日本人の宗教文化、これらのことが日本の宗教人口の2つの数字にあらわれているという結論です。非常に、興味深いですね。101.png 私の経験ですが、ふた昔前にイギリスに住んでいた頃、体調不良で病院に診てもらいました。問診票に宗教を記入する欄があり、戸惑ったことがあります。そして、付け加えて、我が家には台所に神棚があり、また先祖の仏壇があります。S氏のこのミニプレゼンの解説のように、まさしく2つの宗教人口を物語っているようです。
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次回の講座は12月7日です。今年最後の講座となります。177.png





by connection-eigo | 2017-11-11 22:41 | プレゼンテーション